最終面接を通過するために押さえるべき5つのポイント

転職活動の総仕上げ「最終面接」では、自分の希望する部門のトップである役員や、場合によっては社長があなたを採用するかどうかの最終的な決断を下します。人事、現場担当による一次面接、二次面接を通過したあなたは、社員の立場からは「採用OK」が出ていると考えられます。最後に必要なのは代表者、役員などの経営者側の人物からのOKがもらえるかどうかです。
しかし、最終面接での「詰め」を誤ってしまうと、これまでの努力が全て台なしになってしまう危険もあります。Webクリエイターやゲームクリエイターは、どのような姿勢で最終面接にのぞむべきでしょうか。このページでは、最終面接を通過するために押さえるべきポイントをご紹介したいと思います。
目次
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最終面接の役割を知る

まずは一次面接(人事面接)、二次面接(現場担当面接)に比較して、最終面接(代表・役員面接)の役割の違いについて考えましょう。最終面接では、自分の希望する部門のトップである役員や、企業の代表者があなたを採用するかどうかの最終的な決断をする面接です。人事、現場担当者の判断は社内的にはあくまで提案で決定ではありません。最終面接での代表者・役員の「判断」には「大きな責任」が発生します。もちろん、人事や現場担当者の判断を信じて、「基本採用OK」のスタンスで面接をおこなう代表者・役員もいるでしょう。
しかし、人材採用は企業の行く末に大きな影響を与えるだけでなく、応募する人それぞれの人生をも左右します。その両方に責任のある経営者だからこそ、二重、三重にチェックし、ゼロベースで応募者を評価しようと考える代表者・役員は少なくありません。採用を目指すあなたは、一次面接、二次面接で繰り返された質問であっても初めての質問されたのと同様にていねいに答えていくことが大切です。
さらにミスマッチは応募者だけでなく、企業にとっても大きな問題です。最終面接だからこそ可能な業務に関するさらに詳細の開示や、待遇に関する確認事項もあります。入社後に「こんなはずではなかった」と感じて、仕事へのモチベーションが下がったり、短期間のうちに退社せざるをえないというような状況は、応募者にとっても企業にとっても大きな痛手です。その企業のトップ、あるいはトップに近い人物としっかりとコミュニケーションする機会を持ち、互いに信頼できる人物かを判断して、疑問点を払拭しておくことも最終面接の大切な役割なのです。
最終面接の目的
- 代表者・役員などの企業経営のトップがゼロベースで応募者を判断する
- 経営者と応募者とがコミュニケーションによって人間的な信頼関係を結ぶ
- ミスマッチを起こさないよう業務や待遇、働き方などで疑問点を残さない
最終面接(役員面接)を通過するために押さえるべき5つのポイント

冒頭では、一次面接・二次面接を通じて新たに感じた印象を面接官に伝える
最終面接に臨んでも一次面接、二次面接において発言したことと一貫性、整合性がとれていなければなりません。しかし、応募に際しての情報収集からはじまって、書類審査、一次面接、二次面接の面接を通して、あなた自身のその企業に対して新たに感じたこともあったはずです。できれば最終面接の冒頭で、その印象を面接官に伝えていきましょう。
参考例
1 | 一次面接で対応いただいた○○様には貴社の人事制度についてていねいにご説明いただき、安心して働ける環境だと知りました。 |
2 | 二次面接で△△様より職場の雰囲気をお話しいただき、フラットで社員全員が積極的になれる貴社の社風を感じました。 |
人事、現場担当者の面接での対応や、企業によっては働く現場の様子を応募者に見せてくれる場合もあります。その企業で実際に働く人々の姿を見て、あなたがどんな感想を抱いたかを率直に代表者・役員に伝えるのです。経営者にとって、自らが経営する企業が応募者からどんなふうに見えるのかに関心がないはずありません。相手から質問される場合も頻繁ですから、その場で思いつきをいうのではなく、ある程度まとまった意見を簡潔に発言しましょう。

そしてあなたがそれまでの採用フローで得た印象や情報によって、あなたの志望動機にどんな影響を与えたかにも触れていきます。その上で自分の入社後のビジョンを語っていきましょう。また序盤で最終面接の機会を得られたことに「感謝の気持ち」を表せればさらに良いでしょう。
中には「入社を約束されたわけでもないのに感謝の気持ち?」と思われる方もいるかも知れません。しかし、あなたがその会社の採用のために準備をし、時間を割いているように、会社側もあなたの採用のために、最終面接までリソースを使っているのです。互いに感謝と尊敬の念をもって面接にあたるなら、先にその気持ちを表すほうがあなた自身も気持ちよく最終面接に入っていけるはず。そうなれば当然面接官である代表者、役員からも「こちらこそ当社の採用活動に対応いただき…」となるわけで、良い人間関係づくりの第一歩にもなるのです。
最終面接の序盤で応募者が発言すべき内容は?
- ここまでの採用フローでの企業の印象や感想を面接官に伝える
- これまでの面接などで得た新たな情報によって自分の志望動機や入社後の展望の変化を語る
- 最終面接に臨み、ここまでの企業の対応に関して感謝の気持ちを述べておく
組織人としての自覚を持ってのぞむ
クリエイターとしての能力やスキルは、一次面接・二次面接で、おおむね評価が済んでいます。最終面接では、あなたの人間性やクリエイターとしての哲学など、より根幹的な面に着目されることが多いと思われます。
会社があなたを採用するということは、あなたを組織の一員として受け入れるということを意味します。会社の社風や文化に馴染むことができるか、会社の方針や決定に従うことができるのかといった「組織人」としての適性もチェックされるでしょう。

役員は、日頃から多くの社員を詳細に観察しています。最終面接の場ではあまり細かいことは話さないでしょうが、新入社員研修並みのチェック、つまり「服装」「身だしなみ」「振る舞い」「ビジネスマナー」「言葉使い」といった基礎からあなたを評価し直していると考えて間違いありません。新卒時の就職活動に戻ったつもりで最終面接への準備を整えましょう。
会社の代表者(意思決定者)とどれくらい共感できるかが大事
最終面接では、代表者、または役員が面接官を務めるわけですから、プレッシャーを感じてしまうこともあるでしょう。その場の雰囲気や面接官に威圧されて、思うように自分がアピールできなかったり、自信のなさそうな印象を与えたりしてしまう人も少なくありません。
こうした雰囲気の違いによって回答の内容やトーンが変わってしまうと、「話に矛盾がある」などというネガティブな評価をされてしまい、内定の方向性で進んでいた選考が白紙撤回されるリスクもゼロではありません。
このプレッシャーに対抗するためには、最終面接には代表者、役員のどちらが面接の対応をしたかにかかわらず「この会社の代表者=意思決定者と話をする」と予め覚悟して臨むべきでしょう。最終面接には今一度気持ちを引きしめて臨みましょう。

企業の方針や社風は経営陣が創造していくものです。経営陣の考える企業の方向性にあなたがどんなふうに馴染んでいくか、企業を成長させていくメンバーとしてどんなふうに活躍してくれるのかを想像しています。採用に向けてあなたが目指すべきは、最終面接の中で面接官とどれくらい共感することができるか。あなたが企業の方針や社風を受け入れていくと同時に、あなた自身も自己を表現して面接官に受け入れられていかなければならないのです。
一次面接、二次面接と最終面接の違いと目標
- 最終面接は「この会社の代表者=意思決定者」と面談できる機会だと考える
- スキルや経験、コミュニケーション力だけではない経営的な視点で自己評価が必要
- その企業を代表するキーパーソンと企業の方向性を共有する
専門性だけではなく、経営的な視点での方法論を
最終面接では、一次面接、二次面接以上に特定の質問を深掘りされることがあります。例えば、WebディレクターやWebデザイナーの最終面接では、以下のようなシビアな質問をされて、厳しいやりとりが続くことも珍しくはありません。
- 役員:あなたは、弊社のメディアサイトAでどのようなことを実現したいですか?
- 応募者:アクセスが増加し続ける質の高いサイトを目指したいです。
- 役員:どうすれば、アクセスを増加することができるでしょうか?
- 応募者:PDCAサイクルを回し、問題点を常に改善したり…
- 役員:それにはコストがかかりますね?
- 応募者:はい。費用対効果を計算しながら、できる範囲で…
- 役員:その改善でどれくらい収益が伸びるとイメージしてますか?また、その収益の範囲内で、さらにどんな改善ができますか?
あなたは「意地の悪い質問だな」と感じるかもしれません。しかしこれは、面接官が意地悪いわけでも、あなたを否定しているわけでもないのです。
ここで求められているのは「では、どうやってそれを実現するのか?」という具体的な方向性です。つまりあなたの職種における専門性だけではなく、経営的な視点に立った方法論が必要で、それが見えてこないために、面接官は矢継ぎ早に質問をしているのです。

こういう時は、「問題をクリアするための具体的なアイディアが求められているのだな」と、できるだけ速く察知するべきでしょう。それがどの程度斬新で画期的、かつ現実的なものかによって、あなたのクリエイターとしての評価が定まると考えられます。
面接官の意地悪いと感じる質問への対応法
- 専門用語の羅列に留まり具体性に欠ける返答はNG
- 専門領域を超えて経営的な視点から問題解決の糸口を探る
- 将来性を測るための質問と考え広い視野で伸び伸びと自身の意見を提示する
経営者との共感(ビジネス的シンパシー)が、入社後のミスマッチも防げる
二次面接までは順調に進むのに、最終面接が突破できないという人は、経営者との共感(ビジネス的シンパシー)を共有できていないのではと考えられます。企業情報の収集から応募、内定までのすべての行程を考えれば最終面接はほんのわずかな時間です。しかしあなたがその企業での採用を望むなら、この短い時間で面接官との共感を獲得しなければなりません。
経営陣の一人である面接官と共感できる最も確実な方法は、自分の専門性に立脚した経営的視点を持っていることです。それはほとんどの代表者や役員が、そうやって自らの道を切り開いてきたからに他なりません。あなたがその企業の採用の最終段階に入っていたとして、あなたがやっておくべきことは職種の専門性を高めておくだけでなく、再度その企業のビジネス全体を視野に入れておくことでしょう。それは経営者との共感(ビジネス的シンパシー)を得られるだけでなく、あなたがその企業で将来にわたってステップアップし、長く活躍するために必要不可欠でもあるのです。

また最終面接の時間の中で、面接官との信頼関係が築けたと感じたなら、業務についての詳細や、待遇について、疑問点が残っていればこの場で確認しておきましょう。応募者からは聞きにくい内容でもありますが、ここで質問を諦めてしまうと、「こんなはずではなかった」と入社後のミスマッチにつながってしまうこともあります。あなたの採用を決定する立場にある面接官を信頼し、勇気をもって必要な質問をおこない、返答を得て最終面接を終えるようにしましょう。
採用の最終局面であなたが完成しておくべきこと
- 最終面接を担当した代表者、役員と「ビジネス的シンパシー」を共有する
- 業務や待遇について質問し、疑問点を払拭する
- その企業における自分の成りの経営的視点を確立する
まとめ - キャリアアドバイザーから一言コメント
最終面接は、会社とあなたが「仲間」になるかどうか、その最終合意をする場と考えることができます。ケアレスミスなどがないようガードを固めながら、話し合うべき点は十分に話し合うという前向き、かつ積極的な姿勢が大切です。
役員と意気投合したような場合は、つい調子に乗って自分の話ばかり延々と続けてしまう、というような失敗も考えられます。冒頭にも書いたとおり、最後の最後まで油断は禁物です。これまでの長い転職活動の総仕上げの思いで、完璧に最終面接を乗り切れるよう万全の準備をしておきましょう。
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