Webデザイナーに必要な3つのコミュニケーション能力とは?
どの職種においても、コミュニケーション能力は必要とされるスキルですが、Webデザイナーも例外ではなく、コミュニケーション能力が必要な職種です。
サイトの規模が大きくなればなるほど、関わるデザイナーの人数も多くなり、制作の要件が多くなればなるほど、プログラマーやSEO担当者など異なる分野のメンバーと連携を取る場面も増えてきます。質の高いデザインを完成させるためには、一人だけでなく、チーム全体で動かなくてはなりません。そのチームが最大限に力を発揮するためには、Web制作のフロントに立ち、チームを牽引するWebデザイナーの役目は大きいでしょう。そしてコミュニケーション能力は、その役目を果たすために必要不可欠のスキルと言えるのではないでしょうか。
今回は、チームのパフォーマンスを向上させるために、Webデザイナーが習得すべき3つのコミュニケーション能力について、簡単にお話できればと思います。
聞き出す力・理解する力・伝える力
Webデザイナーに求められる3つのコミュニケーション能力
複数のメンバーで形にしていくWeb制作において、大切になってくるものは、「聞き出す力」「理解する力」「伝える力」の3つのコミュニケーション能力です。サイト制作には、技術力も大切ですが、このコミュニケーション能力が十分に発揮されれば、Webサイトの質は一気に向上するといっても過言ではありません。
それでは、具体的にはどのような場面で、その力が求められてくるのでしょうか。いくつか例をあげてみたいと思います。
聞き出す力
要件定義時に必要
サイトを制作する際、クライアントやWebディレクターは、Webデザイナーに沢山の要望をすると思いますが、その伝え方は、人によって様々です。「わざわざ伝えなくてもわかるでしょ」と、ざっくりとしたイメージしか伝えないWebディレクターも中にはいるでしょう。しかし、これらのやり取りは、認識のズレを生む可能性もあり、もし納期直前にそのズレが発覚しようものなら、スケジュールに大きな影響を及ぼしかねません。Webデザイナーは、クライアントやWebディレクターが、イメージしている要件を具体的な形で可視化し、それらを満たすために必要な技術をあらかじめ共通認識として定義しておく必要があります。そのためには、クライアントやWebディレクターのイメージをより詳細に「聞き出す力」が大切になってきます。
理解する力
オリエンテーション時に必要
理解する力は、オリエンテーション時の例がわかりやすいでしょう。クライアント側は、決してクリエイティブなことや外部との折衝に慣れているとは限りません。専門家ではない領域で、無理に技術的なことに言及するかもしれません。このような場合は、決して表面的な内容だけをヒアリングするのではなく、サイト制作によってクライアントはどんな目的を達成したいのか、という根本的な「目的」を理解することが大切です。サイト制作は、目的を達成するための手段です。「目的」さえ明確になれば、それに対しての手段(サイト制作する上で必要な技術的要件)がおのずと絞られ、的を得た提案ができるしょう。
伝える力
クライアントへのプレゼンテーション時に必要
クライアントにデザイン案をプレゼンする時、この伝える力は非常に重要です。クリエイティブチームの実力を発揮する第一段階といえる場面でしょう。オリエンテーションをいかに正しく理解し、それを元にどうデザインに反映できたかを、わかりやすい起承転結で説明する必要があります。多くの場合、ディレクターがプレゼンテーターになりますが、デザインコンセプトなどに関してはデザイナーが行った方が良い場合もあります。プレゼンテーションを成功させることは、クライアントとの信頼関係を築くための大事な第一歩です。日頃から「このデザインを言葉で説明するならばこう言おう」と、プレゼン時をイメージしながら作業することが大切でしょう。
制作メンバーとのミーティング時に必要
オリエンテーションを受けた後は、制作メンバーとミーティングを行うと思います。ミーティングの目的は、メンバーがクライアントの要望を正しく把握し、スケジュール通りにクリエイティブワークを進行させることにあります。大規模な案件のキックオフミーティングの場面などでは、プロデューサーやディレクターが、オリエンテーションの内容を確認しながら指示を出すことがほとんどだと思いますが、中小規模のサイト制作では、直接Webデザイナーがクライアントの要件を制作メンバーに伝えることもあります。イメージしているサイトの最終形(ゴール)を、具体的に各メンバーに共有することができればできるほど、チーム力が最大に発揮されるでしょう。
おまけ - 転職活動で役に立つ!コミュニケーション能力を伸ばす5つの習慣
言葉や文字を通してのコミュニケーション能力は、日頃からクオリティの高い文章や美しい日本語に触れることで養われていきます。新聞を読むなどの習慣を持つことでもコミュニケーション能力は養われていくことでしょう。
また、日常的な会話を通してコミュニケーション能力を高める方法もあります。簡単なようですが、「習慣を意識化」していくことは、難しいもの。あくまで一つの方法ですが、以下のような習慣や行動を、意識すると、面接などのいざという時に役に立つでしょう。
- 話しかける声や話しかけられた時の返事を大きく発する
- 喋りのスピードや相づちのタイミングを相手のペースに合わせる
- 相手の話から一番伝えたいと思われるポイントを1〜3つに絞る
- その中から共通の話題や相手の興味を探し出す
- 共感や感謝の気持ちを一言の言葉にまとめて伝える
転職活動時に限らず、気持ちのよい言葉のキャッチボールは、お互いの信頼関係を築くために大切なもの。このような細かい心がけが、コミュニケーション能力を高める第一歩なのかもしれません。
この記事を書いた人
マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。