Creator's MEGANE〜Webデザイナーのお仕事編〜をレポート!

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去る11/2(金)デジタルハリウッドSTUDIO新宿にて、「Creator's MEGANE〜Webデザイナーのお仕事編〜」と題したトークイベントが開催されました。「Creator's MEGANE」とは、Webを中心としたクリエイティブ業界で活躍するクリエイターが実際に見て感じている景色を参加者も一緒にのぞき込むことで、憧れの「クリエイターへの道」を探ってもらおうと企画したもの。今回はその第1回として、Webデザイナーを目指す人々を対象に行われました。ゲストはフリーランスアートディレクターの浅野南氏、MASKMAN Inc. 代表取締役の中西圭吾氏、ファシリテーターとして『MATCHBOX』の制作にも携わるPARTY山中啓司氏の3名が登壇しました。

登壇者プロフィール

山中啓司氏 プロジェクトマネージャー

同志社大学卒業。1-10designを経て、PARTYに参加。Web、映像、イベント、プロダクト・サービス開発など、幅広い領域で企画・プロデュース、プロジェクトマネージメントを行う。最近の主な仕事に「SUNSTAR / G・U・M PLAY」、「TOYOTA / FCV PLUS」、「UNIQLO / UT Picks」、「paymo / Table Trick」、「マイナビクリエイター / MATCHBOX」など。

浅野南氏 フリーランスアートディレクター

ブランディングエージェンシーにてコミュニケーションプランニング、ブランディングプランの策定及びクリエイティブ全般の制作に 4 年間従事。現在はフリーランスアートディレクターとして、Web サービス、企業のブランディング、コンテンツ企画、ディレクション、デザイン制作を手がける。MATCHBOX REVIEW Vol.5にも登場。

中西圭吾氏 MASKMAN Inc. 代表取締役

流通科学大学卒業。1-10design TOKYOにて支社長/チーフディレクター/クリエイティブディレクターを務めた後、2013年に独立し、MASKMAN Inc. を立ち上げる。デジタルサイネージ、リアルイベント連動、Webサイト、アプリ制作を行う。 合言葉は「常に初陣」。

現役クリエイターが語る! Webデザイナーのなり方とは

イベントは、ファシリテーターを務める山中氏から自己紹介もそこそこに、Webデザイナーが活躍する業界の構造の話からはじまりました。山中氏が分析するWebデザイナーが活躍する企業は、大きく分けてインハウスの事業会社と、受託会社の2種類。さらに事業会社はインターネット関連事業とその他のサービスに。受託会社はその得意分野から企画・ブランディング等の上流を得意とする会社、UI・UXなどの実際のコンテンツのクリエイティブを得意とする会社に分かれます。Webデザイナーとして企業で活躍するためには自分がどんな方向性で仕事をしたいか、また力が発揮できるかを考えて選択していかなければならないと語られました。

次にWebデザイナーになりたい人が持つ3つの疑問がトークテーマとして挙げられ、それに浅野氏が答えました。

  • Webデザイナーが使うソフトは?
  • Webデザイナーに必要なスキルは?
  • そもそもWebデザイナーになる方法は?

浅野氏:やはり最低限のスキルとしては制作に必要なアプリケーションが扱えること。Webデザイナーとしてはある程度HTML、CSSが書ける、フロントエンドへの理解、デザイン全般への学習意欲などが挙げられますね。

続けてあると便利なスキル、デザイナーが現場で実際に使用しているアプリケーションを紹介。さらに自身がWebデザイナーになったいきさつを語り、そのほかにもさまざまなスタイルがあるWebデザイナーのなり方について触れました。浅野氏はデジタルハリウッド大学出身で、フリーのアートディレクターとして活躍する中、デジタルハリウッドSTUDIOでの特別講座の講師も務め、Webデザイナーになりたいという人へ的確なアドバイスを行える今、最も旬なクリエイターの1人。具体的な内容に参加者は熱心に耳を傾け、ノートやパソコンに思い思いにメモを取っていました。

1つのWebサイトができるまで。公開中の案件からWeb制作の舞台裏をのぞく

そして話題はクリエイターの実際の仕事の取り組み方へ。中西氏が浅野氏と共に取り組んだ「歯を大切に!リカルデント」のWeb制作のプロジェクトが紹介されました。

中西氏:このようなWeb広告は、クライアント、広告代理店、プロダクションの3社の構成で制作にあたるのが普通です。さらに今回の場合は浅野さんがフリーのクリエイターとして参加する形になっています。広告代理店が企画営業を、プロダクションが実際のクリエイティブを担当します。私はプロダクションのクリエイティブディレクターとして企画を考え、チームメイクを行うところから仕事をはじめました。

ここでは、投影された図を使ってWeb案件の人の配置から、企画・要件定義、設計、デザイン、実装、公開までの仕事の流れを紹介。ディレクターがデザイナーへ渡した実際の発注書なども提示され、デザイナーがどんなものを元にクリエイティブに取り組んでいるかがわかりました。

リカルデントのWeb広告は中国拳法をモチーフにタレントの濱田岳さんを起用したコミカルで勢いのある演出が好評。コンセプト作りからチームメイクで中西氏が浅野氏をデザイナーに選んだ理由、制作から公開までの苦労話も紹介されました。

中西氏と浅野氏はこのプロジェクト以外にも多数のプロジェクトでチームを組んでクリエイティブを担当しています。会場でしか聞けない裏話も飛び出し、多くの人の目に触れるビッグプロジェクトのやりがいと難しさの両面を知ることができました。

浅野氏が語るWebデザイナーのやりがいと仕事の広げ方

次に話題の中心となったのはWebデザイナーの仕事の面白さややりがいについて。Webデザイナーからアートディレクターまで広い範囲で活躍する浅野氏に注目が集まりました。

浅野氏:自分の作ったクリエイティブの反響が得られること。Webは公開した直後からSNSなどで反響がでますので、やりがいを感じます。自分の生活の中にもいつもデザインの視点があって、それも面白いと感じています。
フリーランスでの働き方については、私の仕事は立場や役職があまり関係なくて、いろんな業界をのぞき見できるのもいいですね。

そして浅野氏がWebデザイナーを志望する参加者に特に強く訴えたのは「自分の好きなものは仕事の役に立つ」ということ。有名ファッションブランドのWebプロモーションを手がけるなど、洗練されたデザインが魅力の浅野氏ですが、彼女の漫画好きは今やクリエイターとしての評価の一部。人気絶頂の漫画作品のWebプロモーションを手がけ、「読む」という行為に躍動感を与える独特な演出で好評を博しました。

浅野氏:好きだと言い続けるのは大事です。たとえば私は、安室奈美恵さんと『新世紀エヴァンゲリオン』の仕事をすることを目標にこの業界に入ったと言っても過言ではありません。そのことをことあるごとに周りの人たちに言っていると、そのチャンスが巡って来ました。やりたいことを持って仕事をするということが、この仕事で高いモチベーションを持ち続ける秘訣かも知れません。

中西氏:チームをアサインするうえで、テーマに対するメンバーの関心は重要なところです。その人がこのクリエイティブにどれほど愛を持って打ち込んでくれるか。普段から強い関心を持っていれば、コンセプトや世界観の共有も早い。スキル面をクリアしていれば是非、参加してほしいメンバーとなるのです。

中西氏からはクリエイティブメンバーを集める側の視点も含め、クリエイターが自分の関心事を表明しながら仕事をするメリットについても語られました。

山中氏からクリエイターの就職・転職に役立つ『MATCHBOX』を紹介

Webデザイナーを志す人へのメッセージとして、浅野氏からは「ポートフォリオ作りをもっと頑張ってほしい」とのコメントがありました。デジタルハリウッドSTUDIOでの生徒のポートフォリオを見ていると就職・転職でアピールするには全然ボリュームが足りていないと感じているそうです。そこで山中氏から『MATCHBOX』を使ってポートフォリオを作る提案がされました。

山中氏:クリエイターの採用でポートフォリオを用意してほしいと考えている企業は100パーセント。しかしそれに対してポートフォリオをちゃんと用意しているクリエイターはたった25パーセント程度しかいないのです。企業は当然ポートフォリオを用意している人から採用しようと考えます。つまり、ほとんどのクリエイター志望者が自分から採用の機会を失っているようなものなのです。

山中氏はさらに踏み込んで、「どんなポートフォリオなら採用に繋がるか」を解説。コンテンツがリッチでスタイリッシュなポートフォリオか。SNSのように手軽に見られるポートフォリオか。山中氏はその答えとして「人材力を表現できるポートフォリオ」を挙げました。人材力を表すポートフォリオとは、作品やコンテンツを並べるだけでなく、自身がどのような形でそのクリエイティブに関わっているか。制作期間やポジション、どんな課題があり、それに向けてどんな工夫を行ったのか。作品に込めた思いまで、見る人にその人の本当の力を伝えることができるポートフォリオとのことでした。『MATCHBOX』は作品を掲載するだけでなく、採用担当者の気になる部分を項目として立て、作成者がその項目に答えていくことで、作品との関わりを伝えることができるポートフォリオ作成サービス。その制作にプロジェクトマネージャーとして関わる山中氏自身から、参加者に『MATCHBOX』の具体的なメリットが紹介されました。

イベントを終えて

Webデザイナーとしての就職・転職を目指す人を対象に開催された今回の「Creator's MEGANE」。浅野氏、中西氏、山中氏と、業界で注目を集めるクリエイターの生の声を聞くことで、自身がWebデザイナーになることへのモチベーションに繋がったと語る参加者が多くいました。クリエイターが直面する実際の制作シーンでの多くの苦労とやりがい。Webプロモーションにおけるクリエイターのそれぞれの役割や連携方法なども実例を挙げながら語られました。そして参加者がWebデザイナーとして就職・転職を考える際の具体的な手立てとして『Webデザイナー専攻 超実践型 就職・転職プラン』と『MATCHBOX』の紹介も参加者の関心を集めました。マイナビクリエイターでは今後も続く「Creator's MEGANE」に注目していきます。

この記事を書いた人

マイナビクリエイター編集部

マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。

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