今こそ本で学ぶべき!全Webディレクターに捧げる良書37冊
Webディレクターは業務に関わる知識やスキルを、いかにスピーディに効率的に習得するかが勝負です。知識・スキルの獲得方法にはさまざまなものがあるのですが、なぜかWebの世界では「本」という手段がないがしろにされがちです。今回は、「Webディレクターが本で学習をする意味」を解説した上で、全Webディレクターに読んでもらいたいおすすめの良書37冊を紹介していきます。
目次
Webディレクターはなぜ本を読むべきなのか
あるWebコンサルティング会社の社長が、こんなことを言っていました。
最近の若い人は本を読むのを忘れている。明らかに自分より頭のいい人(著者)が、何年もかけて編み出したノウハウを、自分より頭のいい人(編集者)が、誰にでもわかりやすいように全力でまとめてくれているのが本。こんなにいい教材はないのに。
日本のWeb業界には、最新情報はWebで入手、実務スキルはOJTで獲得という風潮があるようです。確かに、日々、急速な進化を遂げているWeb業界には、一つひとつの知識やスキルを誰かに教えてもらうという仕組みはなじみません。懇切丁寧に教育を施していると、事業自体に決定的な遅れを招く恐れもあります。「知識・スキルの獲得は自己責任で」という考え方は、一面、正しいものです。
しかし、この考え方には欠点がいくつかあります。ひとつは獲得できる知識やスキルに大きな偏りが生じてしまうということ。新卒で事業会社に就職したWebディレクターは、運用やマーケティングには強くなれるでしょう。しかし、制作実務やサーバーサイドの知識に関しては、不得意になってしまいがちです。このことは、制作会社、広告代理店、システム会社に所属するWebディレクターにも同様のことがいえます。一口にWebディレクターといっても、所属する会社や業務範囲によって、獲得できるスキルに大きな差異が生じてしまうものです。
もうひとつの問題が、基礎が抜け落ちてしまうということです。日々、最新情報を入手し、実務ベースでスキルを磨いていくと、目の前にあるものだけが重要に見えてしまい、その根底にある理論や思想がないがしろになってしまいがちなのです。基礎がないということは、応用の幅が狭いということにつながります。これは、進化のスピードが速いWeb業界では致命的な弱点になりうるリスクです。
では、どうやって汎用的な基礎理論を身に付けていけばいいのでしょうか。答えは「本」を読むことです。本にするということは、第三者が会得した知識を、ターゲットになる読者に向けて、過不足なく体系的にまとめる、ということです。自分の知識レベルに合わせて本を読むだけで、Webディレクターとして知識やスキルを大幅に向上させることができるのです。
Webのニュースや現場の作業と同様に、本もスキルアップにとって必要不可欠なツールです。本を読むことから離れてしまったWebディレクターには、ぜひもう一度、本の価値を再認識していただければ幸いです。
Webディレクションを学ぶために役立つ本6選
「Webディレクターとしての仕事なら何でもこなせます」そう言い切れる人がどのくらいいるでしょうか。Webディレクターの業務範囲は非常に幅広く、勤めている会社の形態や運用しているサイト、本人の志向によって守備範囲が大きく異なります。日常的に行っている業務は問題なくこなせたとしても、汎用的な知識・スキルに関しては自信を持てないWebディレクターが多いでしょう。ここでは、Webディレクターと呼ばれる人が持っておくべき汎用的な知識・スキルを解説した入門書と、運用やプロジェクトマネジメントのスキルをアップしてくれる実用書を紹介していきます。
01. 現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識
知らないと困るWebデザインの新ルール2
「企画提案」「設計」「制作・プロジェクト管理」「運用・効果測定」と、ワークフローの順でWebディレクターが携わる業務や、必要な知識・スキルを網羅的に解説しています。「Webディレクターってどんなことしてるの?」と聞かれたら、「こんなこと」と本書を示せば済むほどに、Webディレクターのあらゆる側面をフォローした一冊です。これからWebディレクターになる人は、Webディレクターの仕事を知るために読み、Webディレクターとしてすでに働いている人は、自分に足りないスキルや知識を整理するために読む、という使い方がいいでしょう。
▼ 著者・監修者
中村健太(監修)、一戸健宏、大串肇、合志建彦、高瀬康次、田口真行▼ 発行
株式会社エムディエヌコーポレーション▼ 発売日
2014年7月25日▼ 定価
2,200円+税
02. Webディレクション標準スキル152
企画・提案からプロジェクト管理、運用まで
全392ページ、152項目にわたって、Webディレクターが携わるあらゆる業務をぎゅっと凝縮した1冊です。前述の『現場のプロが教えるWebディレクションの最新常識』を、より詳細且つ汎用的に解説した本というイメージで、「Webディレクターとは何者であるのか」を再認識することができます。情報量が多く、すべての項目を頭に入れておくことは困難なので、業務上で必要になったときに必要なページを開くという、リファレンス的な使い方もおすすめです。実践的な情報が手に入るわけではありませんが、準備すべき要素や考え方の基本などをその都度教えてくれるでしょう。
▼ 著者・監修者
日本WEBデザイナーズ協会▼ 発行
株式会社アスキー・メディアワークス▼ 発売日
2012年3月16日▼ 定価
4,280円+税
03. Webプロジェクトマネジメント標準
PMBOKでワンランク上のWebディレクションを目指す
国際標準のプロジェクトマネジメントの知識体系である「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」をWebディレクションにいかに適用するかをわかりやすく解説した指南書。「大きなプロジェクトを初めて任された」「現在のワークフローに非効率を感じる」といったWebディレクターにおすすめです。こういった指南書は「思考方法」に偏ってしまうケースが多いのですが、本書は「プロジェクトチャーター」や「WBS」の作り方など、実践的な面にも踏み込んでいるのがポイントです。巻末で紹介されているテンプレートのダウンロードサービスが、終了しているのが残念。なお、現在は「Webプロジェクトマネジメント標準」のpdf版を全編ダウンロードすることが可能です。
▼ 著者・監修者
林千晶、高橋宏祐▼ 発行
株式会社技術評論社▼ 発売日
2008年8月28日▼ 定価
2,180円+税
04. 第一線のプロがホンネで教える
超実践的 Webディレクターの教科書
「悩み多きWebディレクターを助けたい!」。帯に書かれたメッセージどおり、現場ですぐに使えるノウハウが満載の本書。冒頭に掲載されている「ディレクターのよくある悩みとバッドエンド回避策」というケーススタディだけでも一読の価値はあります。徹底的に現場ベースで書かれていますので、「あるある」と共感しながら、トラブル回避ノウハウを学べるのが最大の魅力。「うちの会社はだからダメなんだよ」「クライアントがわがままでさぁ」などと、愚痴が増えてきたWebディレクターはぜひ読んでみてください。後半部分では、スキルアップのための具体的なトレーニング法も紹介されています。
▼ 著者・監修者
中村健太、田口真行、高瀬康次▼ 発行
株式会社マイナビ出版▼ 発売日
2015年8月25日▼ 定価
2,280円+税
05. Web情報アーキテクチャ 第2版
最適なサイト構築のための論理的アプローチ
日本のWebディレクションは現場主義、実用主義に偏っている側面があります。そんな中で、情報設計に関して、アカデミックに解説してくれる貴重な一冊がこの本です。Webサイトとは直接関係のない内容も多いのですが、「情報とは何か」「情報がいかに人を動かすか」という、Webサイトの根幹に触れることができます。難解な内容が多いので、理解できるまで何度も読み返してほしいところです。あなたのWebディレクターとしての価値を、きっとワンランクアップさせてくれます。
▼ 著者・監修者
ルイス・ローゼンフェルド、ピーター・モービル▼ 発行
株式会社オライリー・ジャパン▼ 発売日
2003年8月20日▼ 定価
4,400円+税
06. 「IT専門調停委員」が教える
モメないプロジェクト管理77の鉄則
プロジェクトマネジメントに関わる人なら、ぜひ読んでおきたい良書中の良書です。プロジェクト管理にまつわる重要用語ごとに、その用語解説とプロジェクトマネージャーとしての向き合い方、事例などがまとめられており、本当に必要とする知識を効率良く吸収することができます。平易な表現で書かれていますので、通勤電車の中で読むのにもうってつけです。「提案と見積もり」「契約と法務」「要件定義」「プロジェクト体制」「プロジェクト計画と管理」「開発方式とシステム形態」の6章で構成されています。
▼ 著者・監修者
細川義洋▼ 発行
株式会社日本実業出版社▼ 発売日
2014年7月9日▼ 定価
2,000円+税
Webマーケティングを学ぶために役立つ本8選
Webマーケティングに関する知識とスキルは、Webディレクターにとっての生命線ともいえます。毎日、最新情報を追いかけている人がほとんどでしょう。しかし、「Webマーケティングやマーケティング全般を体系的に学んだことがあるか」と聞かれると、顔を伏せてしまう人が多いのではないでしょうか?ベースとなるマーケティング理論やしくみを知っておくだけで、最新のマーケティングテクノロジーも、飛躍的に理解しやすくなります。ここで挙げた書籍・雑誌は、読んでおくといいでしょう。
07. ネットマーケティング検定 公式テキスト
インターネットマーケティング 基礎編
株式会社サーティファイが運営する「ネットマーケティング検定」の公式テキストで、ネットマーケティング全般の基礎知識を体系的に扱っています。初歩的な要素が多いので、マーケティング実務に携わっている人にとっては物足りなく感じるかもしれませんが、これからWebディレクターになろうと考えている人、OJTでしかマーケティングを学んだことがないWebディレクターは、一通り読んでおいて損はありません。基礎を熟知しておくことで、応用の幅はぐんと広がるはずです。
▼ 著者・監修者
株式会社ワールドエンブレム 藤田裕之▼ 発行
株式会社インプレス▼ 発売日
2012年4月12日▼ 定価
2,000円+税
08. アドテクノロジーの教科書
デジタルマーケティング実践指南
事業会社にしろ、制作会社にしろ、プロモーション実務は広告代理店に委託してしまうケースがほとんどです。そのため、Webディレクターにとって意外にハードルが高くなっているのが、アドテクノロジーに関するスキル習得ではないでしょうか。本書は、「歴史・技術」「クリエイティブ」「効果測定」「プレイヤー」「マーケット」の5分野における、アドテクノロジーの基礎知識を教えてくれる入門書です。アドテクノロジーは急速に進化しているため、少し時間が経つと情報の信頼性が落ちてしまいます。数時間で読み終えられるボリュームですので、今すぐ手に取ってほしい一冊です。
▼ 著者・監修者
広瀬信輔▼ 発行
株式会社翔泳社▼ 発売日
2016年3月10日▼ 定価
2,200円+税
09. プロが教えるWebマーケティング&集客・販促 ― 完全ガイドブック ―
Facebookページ/Twitter/LINE@を活用した新しいWebマーケティングの教科書
SNSを使用したマーケティングの入門書兼TIPS集です。ソーシャルメディアマーケティングの意味やメリットのほか、「Facebook」「Twitter」「LINE@」という代表的な3種類のSNSで集客を行う手順と各種ツールの操作などについて解説しています。「SNSを活用したいけどよくわからない」「いまさら、聞くのが恥ずかしい」というWebディレクターは、迷わずこの本を手に取ってください。ただし、2013年に発行された本なので、各SNSや関連ツールの細かな仕様は変更されている部分があります。
▼ 書名
プロが教えるWebマーケティング&集客・販促 ― 完全ガイドブック ―
Facebookページ/Twitter/LINE@を活用したWebマーケティングの教科書▼ 著者・監修者
福山大樹▼ 発行
SBクリエイティブ株式会社▼ 発売日
2013年8月9日▼ 定価
2,400円+税
10. 新版 SEM:リスティング広告 Googleアドワーズ&Yahoo!リスティング広告対応 Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。
この本を読むことで、「Googleアドワーズ」と「Yahoo!リスティング広告」の知識を、“とりあえず運用が始められるレベル”まで身に付けることができます。自分で広告運用をしなければならないWebディレクターはもちろん、広告代理店とのやり取りが多いプロモーション担当者は必読といえるでしょう。こちらは2012年の本なので、「Googleアドワーズ」と「Yahoo!リスティング広告」の仕様は、現在のものと異なる部分があります。
▼ 書名
新版 SEM:リスティング広告
新版 SEM:リスティング広告 Googleアドワーズ&Yahoo!リスティング広告対応
Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。▼ 著者・監修者
寶洋平、岡本典子、齋藤康祐▼ 発行
株式会社インプレスジャパン▼ 発売日
2012年9月14日▼ 定価
2,200円+税
11. エピック・コンテンツマーケティング
顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書
コンテンツマーケティングの本質に触れることができる、非常に優れた本のひとつです。コンテンツの設計方法からコンテンツをプロモーションする方法、効果を測定する方法まで、幅広く、深く踏み込んでいますので、読んですぐに活かすことができます。現在、日本のコンテンツマーケティング市場は混沌としており、プレイヤーの質も玉石混交です。広告代理店、コンサルティング会社任せにはできません。Webディレクター自身が、コンテンツの方針と質をコントロールする必要があるのです。「ブログ記事をアップするだけ」「効果測定ができない」といった名ばかりのコンテンツマーケティングに陥らないために、ぜひ一度は読んでおいてください。
▼ 著者・監修者
ジョー・ピュリッジ▼ 発行
株式会社日本経済新聞出版社▼ 発売日
2014年6月23日▼ 定価
2,400円+税
12. できる100の新法則 Instagramマーケティング
写真1枚で「欲しい」を引き出す技術
ここ1、2年で急速に利用者が増加し、効果的なマーケティングツールとして注目を集め始めた「Instagram」。この本は、これから「Instagram」マーケティングを始める人に向けた、指南書&TIPS集。「Instagram」を使ったマーケティングのメリットから、タグ付け、写真の撮り方、投稿のコツ、キャンペーン設計法、広告運用のポイントまで幅広く網羅し、実践的な内容となっています。2016年刊行の新しい本なので、今すぐ読んで現場業務に活かしてください。
▼ 著者・監修者
株式会社オプト(山田智恵、小川由衣、石井リナ)、できるシリーズ編集部▼ 発行
株式会社インプレス▼ 発売日
2016年3月18日▼ 定価
2,000円+税
13. 改訂3版 グロービスMBAマーケティング
Webマーケティングとは異なるため、「実践編」として扱っていますが、マーケティング理論の基礎を体系的に習得できる一冊です。「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」「製品戦略」「価格戦略」「カスタマー・リレーションシップ」など、わかっているつもりになっているだけのマーケティング理論のベースをおさらいしておきましょう。
▼ 著者・監修者
グロービス経営大学院▼ 発行
株式会社ダイヤモンド社▼ 発売日
2009年8月28日▼ 定価
2,800円+税
14. 宣伝会議
言わずと知れた、宣伝・広告分野の定番雑誌が「宣伝会議」です。マスメディア関連の記事が多いため、「自分にはあまり関係がない」と考えているWebディレクターも多いようですが、それは大間違いです。Webマーケティングや最新テクノロジーに関する話題が取り扱われることも多いほか、メディアミックス、IoTの振興を考えると、Web以外の分野のマーケティング手法を知っておくことは、大きな価値となります。マーケティングの最新動向を知る上でも、毎月読んでおきたい雑誌です。
▼ 誌名
宣伝会議▼ 発行
株式会社宣伝会議▼ 発売日
毎月1日発売▼ 定価
1,204円+税
Webデザイン・制作を学ぶために役立つ本6選
「実際にWebサイトを作れるWebディレクター」と「指示だけを出すWebディレクター」。デザイナーやコーダーは、どちらのWebディレクターに信頼を置くでしょうか。Webディレクターだからといって、Webデザインやコーディングを実務レベルでこなせる必要はありません。しかし、各種クリエイターとのコミュニケーションをスムーズに行うためには、最低限の知識は身に付けておきたいところです。「入門編」として一通りのWeb制作ができるようなるための書籍を、「実践編」としてデザイン・制作のトレンドを吸収するための書籍・雑誌を紹介します。
15. Webデザインの基本ルール
プロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック
フロントエンドのクリエイター向けの入門編ですが、Webディレクターとしては、「Webデザイナーやコーダーはいったい何を考えて、Webサイトのフロントエンドを構築していくのか」を知るために読んでおきたい本です。レイアウト、配色、HTML、CSSなどの基礎知識がわかりやすく解説されています。2009年の本なので、技術的な内容は古くなっていますが、通底する概念は変わらないので、この本の内容を理解しておくと、クリエイターとのコミュニケーションがスムーズになるはずです。
▼ 著者・監修者
デザインラボ編集部▼ 発行
SBクリエイティブ株式会社▼ 発売日
2009年3月27日▼ 定価
1,800円+税
16. 作りながら学ぶ
HTML/CSSデザインの教科書
コーディングに関する知識・スキルは、実際にWebサイトを作りながら身に付けるのが最も効率的です。それを完全に実現してくれるのがこの本です。「本書の内容を読んで理解」し、「掲載されているとおりにコードを書く」という作業を繰り返すだけで、最終的には美しいWebサイトが完成します。Webディレクターと名乗るなら、簡単なWebサイトくらいは一から作れるようになっておきたいものでしょう。コーディングが苦手な人は、ぜひ読んで使ってほしい本です。ボリュームの割に価格がお手頃なのもいいところです。
▼ 著者・監修者
高橋朋代、森智佳子▼ 発行
SBクリエイティブ株式会社▼ 発売日
2013年12月17日▼ 定価
2,800円+税
17. ユーザビリティエンジニアリング 第2版
ユーザエクスペリエンスのための調査、設計、評価手法
ここ数年、「UX」という言葉を口にする人が増えてきました。しかし、UXとはいったい何なのかを知り、UXを重視したサイト設計を実践できているWebディレクターはごく少数なのではないでしょうか。本書では、優れたUXを実現するためのノウハウが「調査・分析」「設計」「評価」に分類され、非常にわかりやすく解説されています。かたいタイトルではありますが、イラストを多用するなど、平易な表現が心掛けられており、普段、あまり本を読まない人でも抵抗は少ないはずです。通勤電車の中で読むだけで、UXのエキスパートになることも可能です。
▼ 著者・監修者
樽本徹也▼ 発行
株式会社オーム社▼ 発売日
2014年2月26日▼ 定価
2,500円+税
18. 現場のプロが教える
Web制作の最新常識 アップデート版
2016年現在の、フロントエンド側の知識・スキルを吸収するために、Webディレクターが読んでおきたい一冊です。全項目が2016年のトレンドをベースに語られており、Web制作の今を感じられる仕上がりになっています。トレンド用語の意味をまとめて知ることができるというだけでも、2,200円分の価値はあるでしょう。ただし、デザイン、コーディングの基礎に関しての解説はほぼないので、深く読みこなすには最低限の制作スキルが必要です。
▼ 著者・監修者
久保知己、酒井優、塚口祐司、前川昌幸▼ 発行
株式会社エムディエヌコーポレーション▼ 発売日
2016年6月1日▼ 定価
2,200円+税
19. ランディングページ・デザインメソッド
WEB制作のプロが教えるLPの考え方、設計、コーディング、コンテンツ制作ガイド
「いかに訴求するか」「いかにコンバージョンを得るか」という点に視点を移して、情報・コンテンツ設計、デザイン、コーディング、運用改善の基本を教えてくれるのが本書です。LPOを実践するにあたって必要十分な情報がまとまっていますので、「いまいちLPOがうまくいかない」といった人だけでなく、「LPを作りすぎて何がいいのかわからなくなっている」というWebディレクターが、頭の中を整理するためにも有用です。
▼ 書名
ランディングページ・デザインメソッド
WEB制作のプロが教えるLPの考え方、設計、コーディング、コンテンツ制作ガイド▼ 著者・監修者
株式会社ポストスケイプ▼ 発行
株式会社エムディエヌコーポレーション▼ 発売日
2015年11月24日▼ 定価
2,300円+税
20. Web Designing
Webデザイン分野で最も影響力があるであろう雑誌が「Web Designing」です。手前味噌ですが、我がマイナビグループが出版している歴史ある一書です。Webデザインの今の潮流を知りたいなら、必ず毎号チェックしてみてはいかがでしょうか。「Web Designing」という名前ですが、デザインだけでなく、ビジネス、マーケティング関連の記事も充実していますので、ぜひ一度手にとってみていただければ嬉しいです。
▼ 誌名
Web Designing▼ 発行
株式会社マイナビ出版▼ 発売日
偶数月18日▼ 定価
1,530円(税込)
SEO・アクセス解析を学ぶために役立つ本8選
以前、SEOとアクセス解析はそれぞれの専門家の仕事でした。しかし現在では、SEOとアクセス解析に関する知識とスキルは、Webディレクターの必須要件となりつつあります。ここではSEOのキホンのキがわかる入門書や、Google アナリティクスを用いたアクセス解析をやさしく解説した書籍を紹介していきます。SEOやアクセス解析は、本格的に始めようとすると、非常に高度な知識を要する分野でもあります。まずはここで紹介している本を手に取って、勉強してみましょう。
21. 10年使えるSEOの基本
今、最も評価が高いSEOの入門書が本書かもしれません。SEO初心者の「すずちゃん」とSEOの専門家である「土居くん」の会話だけで成立しており、本を読むのが早い人なら1時間以内でSEOに関する基本的な考え方を余さず吸収することができます。具体的な手法や技術論には触れていないため、SEOのエッセンスだけを学び取れるのも魅力です。これからSEOを学ぶ人は、まずはこの本から手に取ってみてください。
▼ 書名
10年使えるSEOの基本▼ 著者・監修者
土居健太郎▼ 発行
株式会社技術評論社▼ 発売日
2015年4月23日▼ 定価
1,480円+税
22. 検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書
2008年に発行された古い本ではありますが、SEOの基本が非常にわかりやすく端的に書かれている名著です。発行以降、多くのアルゴリズム変動があったため、この本に書かれたテクニックをそのまま利用するのは避けてほしいところですが、検索エンジンとSEOの基本を知るという意味で、一度は読んでおくことをおすすめします。「ユーザーの検索体験をより良いものにする」というGoogleの意図は不変なので、最新のSEOにも対応しやすくなるでしょう。
▼ 著者・監修者
渡辺隆広▼ 発行
株式会社翔泳社▼ 発売日
2008年6月16日▼ 定価
1,680円+税
23. いちばんやさしい新しいSEOの教本
人気講師が教える検索に強いサイトの作り方
初心者向けのSEO入門書ではありますが、「すぐに使える」ことを意識して、実作業ベースで書かれてあるのが魅力です。「今すぐ何かをしなければならない」というプレッシャーにさらされている、SEO初心者のWebディレクターにはうってつけの本といえます。付録として掲載されている、「業種・ジャンル別キーワード一覧表」「サイト全体のテンプレート一覧管理表」「今すぐ使えるSEOのREPフォーマット」はかなり便利です。
▼ 著者・監修者
安川洋、江沢真紀、村山佑介▼ 発行
株式会社インプレスジャパン▼ 発売日
2014年2月17日▼ 定価
1,580円+税
24. Googleアナリティクス 実践Webサイト分析入門
Web担当者が身につけておくべき新・100の法則。
Google アナリティクス初心者に向けて、活用のポイントを100項目にわたって解説しています。1〜3章までは、導入、設定、各指標の意味といった基本の解説、4〜6章がデータの読み方・分析方法の解説、7〜8章はレポーティングや運用のコツの紹介という構成になっており、本書を通読することで、Google アナリティクスを使いこなせるようになります。Google アナリティクスの画面を開き、操作しながら読み進めるといいでしょう。
▼ 著者・監修者
いちしま泰樹▼ 発行
株式会社インプレスジャパン▼ 発売日
2014年2月1日▼ 定価
2,400円+税
25. SEOを強化する技術
エンジニアが内側から支えるサイト設計・構築術
SEOといえばWebディレクター、Webマーケターのものと考えるのが普通です。しかし、安定的にSEOを成功させるためには、フロントエンド、バックエンドのエンジニアの協力が欠かせません。本書は、エンジニア向けに書かれた貴重なSEO入門書です。Webディレクターが読むと、システム、プログラム側から見たSEOを理解できるようになり、SEOに対する知見を一層深めることができます。SEOを目的としてWebサイトを改修する際に、エンジニアに対して、明確なオーダーを出しやすくなるでしょう。
▼ 著者・監修者
伊藤大典、安川洋▼ 発行
株式会社インプレスジャパン▼ 発売日
2009年12月18日▼ 定価
1,800円+税
26. できる100の新法則 Google Search Console
これからのSEOを変える基本と実践
Google Search Consoleの基本と実践を、100項目に分けて解説した指南書です。「こんなときどうすればいい?」「検索結果にどんな影響を与える?」といった内容が操作ベースで記載されており、すぐに実務に役立てることができます。残念なのは項目がそれぞれ独立しているにもかかわらず、項目名でその内容と意図をイメージしづらいこと。1から100まですべて実践してみる気持ちで、頭から読んでいくことをおすすめします。
▼ 著者・監修者
アユダンテ株式会社(村山佑介、井上達也)、できるシリーズ編集部▼ 発行
株式会社インプレス▼ 発売日
2015年9月18日▼ 定価
1,800円+税
27. Google Analyticsパーフェクトガイド 増補改訂版
Ver.5/ユニバーサルアナリティクス対応
Google アナリティクスの機能は非常に多彩で、日常的に使用しているWebディレクターでも、すべての機能を知っている人は少ないはずです。Google アナリティクスのあらゆる機能を詳細に解説しているのがこの本。デスクの脇に置いて、操作がわからなくなったときやデータの整合性に不安を感じたときなどに、リファレンス的に活用することをおすすめします。1人1冊とはいかないまでも、1部署に1冊は備えておきたい本です。
▼ 著者・監修者
山浦直宏▼ 発行
SBクリエイティブ株式会社▼ 発売日
2014年4月1日▼ 定価
2,800円+税
28. 現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書
Googleアナリティクスと、その他ツールを使った実践的ノウハウ
事業会社のWebディレクターなら、一度は読んでおきたい必読本です。ポイントは、徹底的に施策・実践に重点を置いて書かれていることと、「検索」「メルマガ」「SNS」「スマホアプリ」など、対象とする集客手法が多彩なこと、そして事例紹介が豊富なことです。あらゆるWebディレクターが集客に関する改善施策を見つけられるでしょう。352ページもあるボリューム満点の本ではありますが、すべてのページを暗唱できるほどに熟読しておきたい一冊です。
▼ 書名
現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書
Googleアナリティクスと、その他ツールを使った実践的ノウハウ▼ 著者・監修者
小川卓▼ 発行
株式会社マイナビ▼ 発売日
2014年8月23日▼ 定価
2,980円+税
システム・データベースを学ぶために役立つ本2選
Webディレクターと、バックエンド・サーバーサイドのエンジニアとのコミュニケーション不足が、プロジェクトにトラブルをもたらすケースが往々にしてあります。その要因に挙げられることが多いのが、お互いの職務・思考に対する理解不足です。Webディレクターは指示を出す側にいるのですから、エンジニアが「どのように考え」「どのように行動する」のかがわかるくらいの知識をつけておきましょう。すぐに現場で応用できる入門書と、Webに関する技術を体系的に学べる解説書を紹介します。
29. Webディレクション実践講座
Webディレクターのための失敗しないプログラム発注ガイド
2005年発行の本なので技術面での古さは否めませんが、Webディレクターとエンジニアのコミュニケーションという側面では、現在でも活用できるノウハウが満載の一冊です。「基礎知識編」では、Webディレクターとして最低限知っておきたいプログラムとサーバーに関する知識を、「ケーススタディ編」では、プログラム開発のワークフローをわかりやすく解説しています。
▼ 著者・監修者
株式会社スマートイメージ、有限会社オブスキュアインク▼ 発行
株式会社ワークスコーポレーション▼ 発売日
2005年10月10日▼ 定価
2,381円+税
30. Webを支える技術
HTTP、URI、HTML、そしてREST
HTTPやHTMLといったWeb技術を、体系的にまとめているのが本書です。開発経験のあるエンジニア向けに書いてあるため、一般的なWebディレクターには理解が難しいかもしれません。しかし、開発技術の一端に触れるだけでも、エンジニアがどのようなことを考えて働いているのかを、少しはわかるようになるはずです。エンジニアからは評判の高い本なので、わからないことが多くてもあきらめず、じっくりと読んでいくことをおすすします。
▼ 著者・監修者
山本陽平▼ 発行
株式会社技術評論社▼ 発売日
2010年4月8日▼ 定価
2,570円+税
マネジメント・コミュニケーションを学ぶために役立つ本7選
「Webディレクターにとって最も重要なのは、マネジメントとコミュニケーション」とよく言われています。しかし、マネジメントやコミュニケーションを体系的に教えてくれた人はいたでしょうか。Webディレクターの教育はOJTに頼ることが多く、自分で失敗しながら、経験則として学んだという人がほとんどなのではないでしょうか?そこで、非常に役立つのが本です。マネジメントもコミュニケーションも、業種を問わず重要視されるスキルのひとつです。そのため、昔から研究しつくされており、アカデミックにまとめられた書籍や著名人が書いた本が多数出版されているのです。どれも役立つものなので、一度は手に取ってみてください。
31. マネジメント基本と原則【エッセンシャル版】
世界的名著である、ドラッカーの「マネジメント」から、最も重要な部分だけを抜き出したのがこの本です。Webディレクターが特に注目したいのは「Part 2 マネジメントの役割」で、チームビルディングやチームマネジメントに必要なエッセンスとアイディアが凝縮されています。本書は、全編を通して平板な表現になっているので、うっかりしていると重要な要素を見逃してしまいがちです。「すべての文字がマネジメントの本質を表している」というくらいの気構えを持ってページをめくるといいでしょう。気になる部分にはラインを引くなどの工夫をするのもおすすめです。
▼ 著者・監修者
ピーター・F・ドラッカー▼ 発行
株式会社ダイヤモンド社▼ 発売日
2001年12月13日▼ 定価
2,000円+税
32. 人を動かす
Webディレクターの仕事は、さまざまな技能を持った専門家に指示を出し、最大限の能力を発揮してもらうことです。そういった意味では、「人を動かす」ほどWebディレクターにふさわしい本はないかもしれません。「PART1 人を動かす三原則」「PART2 人に好かれる六原則」「PART3 人を説得する十二原則」「PART4 人を変える九原則」。すべてがストーリー仕立てで書かれていますので、納得のいきやすさ、飲み込みやすさは、類書の中でも群を抜いています。
▼ 書名
人を動かす▼ 著者・監修者
D・カーネギー▼ 発行
株式会社創元社▼ 発売日
2016年1月22日▼ 定価
650円+税
33. これからのマネージャーの教科書
自己変革し続けるための3つの力
41人の優秀なミドルマネージャー(中間管理職)へのインタビュー調査を基にまとめられた、マネジメントの入門書です。期待を超えるマネージャーに必要な力を、「スキル(組織で成果を出す力)」「ウェイ(仕事に対する思いの力)」「ギャップ(周囲との考えの違いを乗り越える力)」の3つと定義し、自分を変革するための手段を教えてくれます。管理職向けの本ではありますが、Webディレクターも多種多様な人間をひとつの方向へと向かわせるという意味では、管理職と同様のスキルを求められます。また、上位レイヤーへステップアップするためにも役立つはずです。
▼ 著者・監修者
グロービス経営大学院、田久保善彦▼ 発行
株式会社東洋経済新報社▼ 発売日
2016年6月24日▼ 定価
1,800円+税
34. 影響力の武器[第三版]
なぜ、人は動かされるのか
「自分の都合がいいように他人を動かしたい」。人聞きの悪い言い方ですが、世の中のマーケティングコミュニケーションの根底には、この思想が必ず存在します。人は環境や情報からどのような影響を受け、意思決定を行っているのかという行動心理学の題材を、アカデミズムをベースとしながら、ストーリー仕立てでわかりやすく教えてくれるのがこの本です。読み物としても単純におもしろいので、500ページ近いハードカバーですが、一気に読破できるはずです。
▼ 著者・監修者
ロバート・B・チャルディーニ▼ 発行
株式会社誠信書房▼ 発売日
2014年7月10日▼ 定価
2,700円+税
35. あなたの話はなぜ「通じない」のか
前述の「影響力の武器」は、コミュニケーションにおいてどのようにして「影響力」が行使されるかを解説した本ですが、本書はなぜ「影響力」が発生しないのかを解説した本といえます。「どうすればコミュニケーションはうまくいくのか」という方法論ではなく、「あなたは本当にコミュニケーションを取りたがっていたのか」「そのための努力を惜しんでいなかったか」という、胸に痛いほどの強烈なメッセージが記されています。著者本人の体験談や想いを通じて書かれていますので、はっと気付かされることが多いはずです。
▼ 書名
あなたの話はなぜ「通じない」のか▼ 著者・監修者
山田ズーニー▼ 発行
株式会社筑摩書房▼ 発売日
2006年12月6日▼ 定価
520円+税
36. 佐藤可士和の打ち合わせ
「打ち合わせとは『仕事そのもの』」。このページを読んでいるWebディレクターの中に、そう言い切れる人はどれだけいるでしょうか。「結論の出ない打ち合わせ」「議論のない打ち合わせ」「顔合わせだけの打ち合わせ」など、時間の浪費としか思えない打ち合わせが、今この瞬間も日本中で行われています。なぜこのような事態が日本中で起きているのでしょうか。それは、打ち合わせを「仕事そのもの」ととらえていないからかもしれません。佐藤可士和氏が、打ち合わせは何たるかを伝授してくれます。
▼ 書名
佐藤可士和の打ち合わせ▼ 著者・監修者
佐藤可士和▼ 発行
株式会社ダイヤモンド社▼ 発売日
2014年11月7日▼ 定価
1,400円+税
37. ザ・ゴール コミック版
全世界で1,000万人以上が読んだといわれる、ビジネス書「ザ・ゴール」のコミック版です。1984年にアメリカで発表された「ザ・ゴール」。アメリカでベストセラーになりましたが、「日本で翻訳出版されると、貿易の不均衡がますます加速し、世界経済が破滅する」という著者の意向によって、2001年まで日本での翻訳出版が禁じられていました。本書では「ザ・ゴール」の中核となっている「TOC(Theory of Constraints・制約理論)」を漫画でわかりやすく学ぶことができます。ビジネス書が苦手な人も、これだけで読みたくなるでしょう。
▼ 書名
ザ・ゴール コミック版▼ 著者・監修者
エリヤフ・ゴールドラット/ジェフ・コックス(原作)、岸良裕司(監修)、青木健生(脚色)、蒼田山(漫画)▼ 発行
株式会社ダイヤモンド社▼ 発売日
2014年12月5日▼ 定価
1,200円+税
まとめ
「Webディレクション」「Webマーケティング」「Webデザイン・制作」「SEO・アクセス解析」「システム・データベース」「マネジメント・コミュニケーション」の6分野にわたっておすすめの本や雑誌を紹介してきました。ここまで紹介した本や雑誌を見て、「全部わかっているから、そんなものは改めて読む必要はない」と思った人はどのくらいいるでしょう?ほとんどのWebディレクターが、自分の知識やスキルの空白部分を発見したのではないでしょうか。
しかし、自分の知識やスキルが足りないからといって落ち込む必要はもちろんありません。自分の知識・スキルの空白部分を見つけて、それを埋められることこそが、本を読むという行為の大きな利点なのです。最新動向を追うあまりWebからの情報収集ばかりをしていた人、日々の業務に忙殺されて現場の知恵しか身に付いていない人は、ぜひこれをきっかけに書店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
マイナビクリエイター編集部は、運営元であるマイナビクリエイターのキャリアアドバイザーやアナリスト、プロモーションチームメンバーで構成されています。「人材」という視点から、Web職・ゲーム業界の未来に向けて日々奮闘中です。